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オーダーを体験。seica vol.2


靴職人・霜崎泰也さんが手掛ける、神戸発のビスポークシューメーカー「seica(セイカ)」。

vol.1では、ブランドとの出会いについてお話しました。

vol.2では、実際に工房でオーダーを体験してきたことをレポートします。

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今年の3月、お取り組みが決まった時から、どうしても叶えたかったこと。
それは、seicaの工房を訪ね、自分たち自身がオーダーを体験することでした。
そして8月末、その念願が叶いました。





京都から電車を乗り継いで向かったのは、神戸・滝の茶屋。
seicaの工房は、駅から歩いて6分ほどの住宅地の中にあります。
もともとは、神戸・元町に工房を構えていたとのことですが、2020年、コロナ禍を機に現在の場所へ移転されたそう。
約5ヶ月ぶりの再会となった霜崎さん。初めて工房を訪れた私たちをあたたかく迎えてくださいました。





工房に入って、まず目に飛び込んできたのは、ずらりと並んだオリジナルシューズ。どれも本当に美しい。


seica独自のパターンオーダーのスタイル「カントリーライン」の3型もありました。
右から、登山から着想した「Karakoram」、ヴィンテージのサイクリングシューズからイメージした「Rudge」、サッカーをイメージした「Danieli」。



棚には、世界中から集められた選りすぐりの革たち。






作業場もじっくりと見せていただきました。木型、パターン作成から、革の裁断、縫製、吊り込み、底づけ、仕上げに至るまでの、すべての工程がこの工房で完結します。特別な一足はここから生まれるのですね。

①カウンセリング

理想の一足をかたちにするための第一歩は、カウンセリングからスタート。

どんなデザインをイメージしているのか。
どんな服装に合わせるのか。スーツなのか、カジュアルなのか。
普段履くソックスの厚み、今履いている靴の歩行時に気になる点なども、ここでお話します。

工房訪問が決まった時から、どんなデザインでお願いするのかをずっと考えていた夫。
デッキシューズ、チャッカーブーツ、Uチップシューズ....
いろいろと考えた結果、ドレスシューズの定番デザイン「内羽根プレーントゥ」に落ち着きました。
そのことを伝えると、もう少しカジュアルなデザインを想定されていたのか、「意外です!」という反応。でも、面白がってくださったみたいです。
カジュアルな装いに合わせることをメインとしつつ、靴磨きで表情を変えながら、いろんなシーンで使いたい。そんなイメージをお伝えしました。



②採寸

つぎに、スケッチブック、メジャー、鉛筆を使った採寸工程に進みます。

足の輪郭に沿って鉛筆でぐるりと線を引き、その後はメジャーを使って、細かな部位ごとのサイズを測っていきます。



ふんわりソフトタッチ計測



ぎゅっと絞った強めの計測


メジャーで採寸する際に、肌にふんわりとあてる計測と、やや肉がへこむ強めの計測の両方でサイズを確認されていました。

これは、肉質(硬いor柔らかい)や骨格(がっしりor華奢)など、足の個性は人によって違い、それによってフィッティングが変わってくるから。
表面の数字だけではわからない、微妙なサイズ感を手で感じとり、見極めていく。まさに職人の感覚です。

また、「履いている靴から足の個性が見えてくることもある」と霜崎さん。

たとえば、扁平足の方が既製の革靴を履くと、土踏まずの上あたりに皺が入りやすかったり、
骨が出っ張っている部分があれば、靴の内側にその形が現れることもあるのだとか。

足そのものだけでなく、靴に残された小さな情報まで丁寧に読み取りながら、一足の靴に落とし込んでいくんですね。




すらすらすら....と。
あっという間に、足のデータが書き込まれていきます。
ここで判明した夫の足の特徴。
足長に対してかかとが細い。そして甲も薄い。
なるほど、どおりで既製のメンズ靴が合いにくかったわけです。


③サイズゲージ試着

フィッティングサンプル用の内羽根シューズ(サイズゲージ)を試着して、理想のフィッティングを探っていく工程です。

まずは、ベースとなる木型を決めるため、かかとのフィット感を合わせていきます。
夫のために、霜崎さんがピックアップしてくださったのは、なんとUK4(22.4cm)。
実際の足のサイズと比べると明らかに小さく、「これはさすがに履けないのでは」と思ったのですが、人のからだって不思議。.....履けるんです。
しかも、かかとのフィット感はお見立て通り、ぴったりだった様子。すごい!


つぎに、小指の痛みや甲まわりの窮屈さがないかを確認しながら、足の前半分にフィットするサイズを探ります。
羽根の開き具合も、開きすぎず、閉じすぎない、ちょうどいいバランスを見てもらいながら進んでいきます。



こうして最終的に決まったサイズがこちら。

かかと・甲→UK4(22.4cm)
長さ→UK5(23.6cm)
ウィズ→UK5 1/2(24.2cm)

seicaでは、このようにして導き出されたサイズを組み合わせて「コンビネーション木型」をつくり、そこから一足を仕立てていくのだそう。

夫の場合、かかとで合わせたUK4をベースに、長さをUK5、ウィズをUK5 1/2相当まで広げる調整が行われることになりました。



「サイズを組み合わせる」「木型を広げる」ってどういうことなんだろう?
うまくイメージできずにいたところ、霜崎さんが調整中の木型を特別に見せてくださいました。
グレーや白になっている部分が肉付けされたところ。
なるほど、こうやってベースの木型に修正を加えて、サイズを伸ばしたり、ゆとりを持たせたり、フォルムを調整していくんですね。


④ローリング構造の体感

靴づくりにおいて、芸術的な美しさだけでなく、道具としての機能的な側面も大切にしている霜崎さん。

「足の力で歩くのではなく、靴が足をサポートする」という考えのもと、seicaの靴には、霜崎さんが独自に考案した「ローリング構造」が採用されています。

これは、歩き出す際に、かかとから小指、そして親指側へと、重心が移動することを意図した構造で、足裏の3点アーチを使った健やかな歩き方を促すのだといいます。



実は、サンプルシューズはあえて「ローリング構造」を含まないフラットな木型で設計されています。
そこに専用のパーツを取り付け、
実際に歩いてみることで、フラットな木型との違いを自分の足で体感することができるのです。

履き比べてみて、フラットな木型のほうが好みであれば、もちろんその状態で製作することも可能とのこと。
実際に歩いてみた感覚を大切にしながら、霜崎さんとの対話の中で、自分に合うかたちを選べる。
こういうところにも、seicaの「一人ひとりに合わせる」という姿勢が現れているように感じました。


⑤革を選ぶ

厳選された革の中から好みのものをチョイス。
どんな革がいいか、霜崎さんに相談しながら「あれもいいな、これもいいな」と思いを巡らせる。
楽しくも、悩ましい時間です。
アップチャージで、より特別な革を選ぶこともできます。


⑥製法について

ここで、靴の製法についてのご説明がありました。

seicaの基本製法は、「ハンドソーンウェルテッド製法」。
底付け、アウトソールの縫製まで、すべての工程を機械を使わずにフルハンドで仕立てる「10分仕立て」にこだわっています。

機械縫いとはまた違う、手仕事ならではの雰囲気や美しさ。それは、作り手によっても少しずつ表情が変わるもの。
まさに、職人の腕のみせどころなのだそうです。




実際に作業されている様子を撮影した映像も見せていただきました。
そこでとても印象的だったのは、
迷いなく、力強く、そして淡々と、
手を進めていく霜崎さんの姿。
細やかな手仕事の一つひとつに込められた美意識。
その小さな積み重ねが、最終的に一足の「顔」をつくっていくのだなと感じました。


⑦絵型作成

最後に、デザインの変更希望をお伝えしました。
ひとつは、ヒールを少し高めにすること。
ふたつめは、アイレットを一つ減らし、4ホールにすること。
さらに、霜崎さんからおすすめしていただいた「トゥスチール」も追加することに。
この内容を反映し、霜崎さんに絵型を描いていただき、オーダーのすべての工程が終了となりました。


【オーダー内容】

デザイン:内羽根プレーントゥ
本体価格:169,000円

*オプション
かかとを高くする積み上げ2枚:6,000円
トゥースチール:6,000円

合計181,000円(税込199,100円)

(後日、シューツリーもお願いしたので別途で税込22,000円がプラス)

今回のオーダーは、seicaのパターンオーダーの基本スタイル<ドレスライン>の範囲内となりました。

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初めてオーダーを体験してみて、革靴の世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるんだと、改めて実感しました。

木型のこと、製法のこと、一足の靴ができあがるまでのプロセス、靴の正しい履き方、フィッティング上のルール.....

これまで知らなかったことを、一つひとつ教えてもらうことで、知識がアップデートされていく。
それは、新しい扉が開いていくような感覚。
オーダーを終えた頃には、なんだか自分たちがレベルアップしたような、一回り成長したような。そんな気分になっていました。
こうした瞬間に出会えるから、ファッションって楽しいんですよね。

仕上がり予定は8〜10ヶ月後。
完成までまだもう少し先ですが、すでに夫の中ではこの靴への愛着が生まれているようです。
そして、手元に届くその日までの時間も楽しみになっていく。
そんな体験を、そばで見届けることができました。

そして、いよいよ来週末。当店初となるseicaオーダーイベントを開催いたします。

イベントでは、私たちが体験した、seicaのパターンオーダーの基本スタイル<ドレスライン>と、霜崎さんの感性が反映された新たな切り口のパターンオーダーのスタイル<カントリーライン>。2つのスタイルをご用意いたします。

デニムに合わせても、ジャージーパンツに合わせても、スラックスに合わせてもいい。
普段のスタイルの延長線上にありながら、特別な一足を、それぞれの好みに合わせて作ってみませんか。

霜崎さんとの対話を通じて、自分の足に合わせた一足をつくっていく。
その過程も楽しんでもらえたらと思います。

「seica order event」

会期:10月24日(土)・25日(日)
時間:10:30〜18:00
場所:PARK 401号室

●パターンオーダードレスライン(10分仕立て)
¥178,200(inc tax)〜
●カントリーラインパターンオーダーシューズ
¥156,200(inc tax)〜

納期:約8〜10ヶ月程度

①10:30-12:00
②12:00-13:30
③13:30-15:00
④15:00-16:30
⑤16:30-18:00

○両日とも、お一人につき1時間半のご予約制となります。
ご予約をご希望の方は、事前にご希望の日時をお知らせください。

○ご予約はオンラインショップのお問い合わせフォームより承っております。お名前・メールアドレス・お電話番号をご入力の上、ご希望の日時をお知らせください。


また、もう一歩踏み込んだオーダーをご希望の方は、当日、霜崎さんに直接ご相談ください。

皆さまのご来場を心よりお待ちいたしております。



PARK

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